【小児科医が解説】赤ちゃんの「でべそ」(臍ヘルニア)って大丈夫?原因から治療まで
- 2025年8月22日
- 皮膚のこと
赤ちゃんのおへそが「でべそ」のように飛び出していませんか?
これは「臍ヘルニア(さいへるにあ)」と呼ばれる、赤ちゃんによく見られる状態です。今回は、臍ヘルニアについて詳しく解説します。
赤ちゃんの臍ヘルニア(でべそ)とは?
「臍ヘルニア」は、俗に「でべそ」とも呼ばれるもので、赤ちゃんによく見られる疾患です。
赤ちゃんは、へその緒が取れた後も、おへその部分に小さなお腹の壁の隙間が残っていることがあります。泣いたり、咳をしたり、うんちをする時など、お腹にぐっと力がかかると、この隙間からお腹の中の腸の一部が皮膚の下に押し出され、おへそが風船のようにポコッと膨らんでしまう状態を臍ヘルニアと言います。
臍ヘルニアの「症状」
臍ヘルニアの主な症状は以下の通りです。
- ・おへそがドーム状に大きく膨らむ:特に赤ちゃんが泣いている時や、排便時などお腹に力が入る時に目立ちます。
- ・通常、痛みはないことがほとんどです。
臍ヘルニアって治るの?
約80%が1歳までに自然に治ると言われています。2歳くらいまでには90%以上が自然に治るというデータがあります。 これは、赤ちゃんがお腹の筋肉を発達させるにつれて、へその部分の穴が自然に閉じるためです。
「診断」と「治療」について
診断
臍ヘルニアは、見た目と触診で診断できます。小児科医がおへその膨らみを触り、お腹の中に引っ込むことを確認します。
治療
臍ヘルニアの多くは、特別な治療をしなくても自然に治ります。
①経過観察
ほとんどの場合、まずはこの経過観察が第一選択となります。焦らず、赤ちゃんの成長を見守ることが大切です。
②綿球圧迫療法
おへそに綿球やスポンジを当て、テープで固定する方法です。これは自然治癒を補助する目的で行います。当院でも、お子様の状態に合わせてご提案し、実施しています。 ただし、皮膚がデリケートな赤ちゃんの場合、皮膚のかぶれなどのトラブルを起こす可能性もあります。そのため、圧迫療法を行う際は、皮膚の状態を注意深く観察しながら行います。
③手術
稀なケースですが、以下のような場合には手術を検討することがあります。
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- ・2歳を過ぎても自然に治らない場合
- ・ヘルニアのサイズが非常に大きく、見た目が気になる場合
赤ちゃんの臍ヘルニアで「注意すべき点」
通常の臍ヘルニアは、赤ちゃんの健康に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。しかし、稀に注意が必要なケースもあります。
臍ヘルニアの「嵌頓(かんとん)」に注意!
嵌頓とは、飛び出した腸がヘルニアの出口にはまり込んでしまい、お腹の中に戻らなくなる状態のことです。嵌頓が起こると、腸が締め付けられて血流が悪くなり、腸閉塞や腸の壊死を引き起こす可能性があり、緊急手術が必要になる場合があります。
こんな症状が出たらすぐに受診を!
臍ヘルニアの嵌頓は非常に稀ですが、もしお子様のおへそが以下のようになった場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- ■おへそが硬く張って、触ってもお腹の中に戻らなくなった
- ■お子様が強く痛がる、異常な不機嫌が続く
- ■嘔吐する
- ■おへその皮膚の色が赤みを帯びたり、青紫色や黒っぽく変色する。
まとめ:不安な時は当院へご相談ください
赤ちゃんの「でべそ」は、多くのケースで自然に治るものであり、過度な心配はいりません。しかし、もし「うちの子のでべそ、大丈夫かな?」「テープの使い方が合っているか心配」など、少しでも気になることがあれば、お気軽に平井みらいこどもクリニックへご相談ください。