ハチミツはいつからOK?1歳未満の赤ちゃんにハチミツが危険な理由。小児科専門医が解説。
- 2025年12月15日
- ホームケア
自然な甘みと高い栄養価で魅力的なハチミツですが、まだ腸内環境が未熟な1歳未満の赤ちゃんにとっては、危険な食べ物になる可能性があります。それは、「乳児ボツリヌス症」という病気を引き起こすリスクがあるからです。
🚨 1歳未満は危険!乳児ボツリヌス症とは
乳児ボツリヌス症は、ハチミツにごくまれに含まれている「ボツリヌス菌」の芽胞(がほう)が原因で起こる感染症です。
- ・1歳を過ぎた子どもや大人:ボツリヌス菌の芽胞が体に入っても、腸内環境が整っているため問題にはなりません。
- ・1歳未満の赤ちゃん:腸内環境が未熟なため、芽胞が腸内で増殖し、神経を麻痺させる強いボツリヌス毒素を産生してしまいます。
この毒素は、赤ちゃんの運動神経に影響を及ぼし、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
🩺 赤ちゃんに起こる症状と発見のサイン:こんな変化に注意!
乳児ボツリヌス症の症状は、通常、ハチミツを摂取してから数日~3週間程度で現れます。特に以下の変化を見逃さないでください。
- 便秘が続く(乳児ボツリヌス症の初期症状として非常に重要です)
- 筋力低下により、全身がぐったりする
- おっぱいやミルクの飲みが悪くなる、嚥下(えんげ)する力が弱くなる
- 泣き声が小さく、弱々しくなる
症状が進行すると、呼吸筋麻痺を起こすリスクもあるため、少しでも気になる症状があれば、速やかに小児科を受診してください。
✅ 疑問解消!ハチミツはいつから与えても大丈夫?
ハチミツ(およびハチミツ入りの離乳食や食品)は、「1歳のお誕生日を迎えてから」与えるようにしてください。
この「1歳」という区切りが、赤ちゃんの腸内環境が安定し、ボツリヌス菌が増殖しにくい状態になる大切な目安です。
🔥 知っておきたい!加熱しても大丈夫ではない理由
「料理やお菓子に使うから、加熱すれば菌は死ぬのでは?」という疑問をよくいただきますが、ボツリヌス菌の芽胞は非常に強い耐熱性を持っており、通常の加熱や調理では死滅しません。
そのため、加熱調理した食品であっても、ハチミツが含まれる食品は1歳未満のお子さまには与えないようにしてください。
