【小児科医が解説】子どもの鼻血、正しい止め方とホームケアのポイント|小児科・皮膚科|平井みらいこどもクリニック|土曜診療

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【小児科医が解説】子どもの鼻血、正しい止め方とホームケアのポイント

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【小児科医が解説】子どもの鼻血、正しい止め方とホームケアのポイント

小児科専門医の視点から、お子様の鼻出血時に保護者が知っておくべき「圧迫止血法」の正しい手順と、やってはいけないことを解説します。

お子様の鼻血は、ほとんどが心配のないものです。慌てずに、これからご説明する正しい方法で対処しましょう。

1. 最も有効な「圧迫止血法」の正しい手順

子どもの鼻血の9割以上は、鼻の穴の入り口から約1cm奥にある粘膜の薄い部分「キーゼルバッハ部位」からの出血です。この部位を外側からしっかり押さえる「圧迫止血法」が最も効果的です。

一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会HPより引用

正しい止血方法のステップとポイント

ステップ①:落ち着かせて座らせる

保護者の方がまず落ち着くことが何より大切です。お子様を椅子などに座らせ、体を起こした姿勢を保ちましょう。興奮や不安は血圧を上げ、出血を長引かせることがあります。

ステップ②:顔は「うつむき加減」に

血液がのどに流れ込まないよう、顔を少し下向き(うつむき加減)にします。血液は飲み込まず、口から吐き出させましょう。

ステップ③:小鼻(柔らかい部分)をしっかり圧迫

親指と人差し指で、鼻の柔らかい部分(小鼻・鼻翼)をギュッとつまみます。鼻の硬い骨の上の方(鼻の付け根)を押さえても、キーゼルバッハ部位は圧迫できません。

ステップ④:10〜15分間、持続的に圧迫

最低10分〜15分間は、途中で指を離さずにしっかり押さえ続けます。止まったか確認するために途中で圧を緩めると、固まりかけた血栓が剥がれて再出血し、止血が長引いてしまいます。

ステップ⑤:口の血液は吐き出す

鼻血が喉に回ってきたら、飲み込ませず、洗面器などに吐き出させましょう。飲み込むと胃を刺激し、吐き気や嘔吐(おうと)につながることがあります。

2. 鼻血のホームケアで「やってはいけない」間違った対処法

長年の経験から、保護者の方が良かれと思ってされてしまう、誤った対処法があります。以下の行為は、止血を妨げたり、お子様にとって危険を伴うため避けてください。

❌ 上を向かせる・仰向けに寝かせる

血液が喉の奥に流れ込み、誤嚥(ごえん)や嘔吐の原因となる場合があります。

❌ 首の後ろを叩く・冷やす

止血効果は証明されていません。

❌ ティッシュを頻繁に入れ替える

ティッシュを抜く際に、せっかく止まりかけた粘膜の傷を再び開いてしまい、再出血を招く可能性があるため頻繁に入れ替えるのは避けましょう

3. 再出血予防のポイントと受診の目安

鼻血が止まった後も、鼻の粘膜は傷つきやすい状態です。再出血を防ぐためのホームケアも重要です。

  • ・鼻をいじらない: 止血後1日程度は、鼻をいじるのを控えましょう。特に乾燥すると鼻がかゆくなりやすいので、日頃から爪を短く切っておくと安心です。

受診が必要なケース

正しい圧迫止血法を30分以上続けても出血が止まらない場合や明らかに出血量が多い(たらい1杯分ほど)場合は、動脈からの出血や、他の疾患が隠れている可能性があるため、医療機関(耳鼻咽喉科または小児科)を受診してください。

適切なホームケアで安心につなげていきましょう。ご心配なことがあれば、いつでもご相談ください。

院長 三井 俊賢
記事監修
院長 三井 俊賢

慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長

医学博士、日本小児科学会 小児科専門医、日本小児科学会 認定小児科指導医

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