秋の味覚「銀杏」の食べ過ぎに要注意!お子さんの銀杏中毒、知っておきたいこと
- 2025年9月19日
- ホームケア
秋の味覚の一つに、独特の風味と食感が魅力の銀杏(ぎんなん)がありますね。この銀杏ですが、実は食べ過ぎると中毒を起こす可能性があることをご存じでしょうか?特に小さなお子さんのいるご家庭では注意が必要です。今回は、お子さんの銀杏中毒についてまとめてみました。
銀杏中毒ってどんな病気?
銀杏には「4′-O-メチルピリドキシン」という成分が含まれています。この成分は、体内で私たちの神経の働きを助ける大切な栄養素であるビタミンB6の働きを邪魔してしまう性質があります。
ビタミンB6が十分に働かなくなると、脳の神経細胞が興奮しやすくなり、様々な症状を引き起こすのが銀杏中毒です。この成分は加熱しても消えることはありませんので、調理済みの銀杏でも注意が必要です。
こんな症状が出たら要注意!
銀杏中毒の症状は、銀杏を食べてから1時間~12時間くらいで現れることが多いと言われています。主な症状は以下の通りです。
- ・吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの胃腸の症状
- ・めまい、ふらつき、顔色が悪くなる
- ・不整脈、呼吸が苦しくなる
- ・そして最も注意が必要なのがけいれんです。
特に、お子さんが銀杏を食べてけいれんを起こした場合は、緊急事態です。繰り返し痙攣を起こすことがありますので、すぐに医療機関を受診してください。
もし銀杏中毒が疑われたら…
お子さんが銀杏を食べて、上記のような症状が見られたら、すぐに医療機関を受診してください。
病院では、銀杏を食べたことを必ず医師に伝えてください。治療としては、ビタミンB6の働きを助けるためにビタミンB6製剤を投与することが一般的です。
お子さんは特に危険!どれくらい食べたら危ないの?
銀杏中毒は、大人よりも小さなお子さんの方が起こしやすいことが分かっています。報告されている中毒事例の70%以上が10歳未満のお子さんで、特に5歳未満のお子さんは少量でも中毒を起こす可能性が高いです。
具体的な危険な量としては、
- お子さん(特に5歳未満): 5~7個以上食べると中毒症状が出る可能性があります。
- 大人: 40個以上で中毒の可能性があると言われていますが、体質によっては少量でも症状が出ることがあります。大人の方も1日10個程度までを目安にしましょう。
当クリニックとしては、お子さんの安全を最優先に考え、5歳未満のお子さんには銀杏を食べさせないことをお勧めしています。また、もしお子さんが銀杏を食べる機会がある場合は、1~2粒程度のごく少量にとどめ、目を離さないようにしてください。
大切なこと:予防が一番!
秋の味覚を安全に楽しむために、以下の点に注意しましょう。
- 5歳未満のお子さんには銀杏を与えないようにしましょう。
- お子さんに銀杏を食べさせる場合は、ごく少量に留めましょう。
- 大人も食べ過ぎには注意し、適量を守りましょう。
- 銀杏を保管する際は、お子さんの手の届かない場所に置きましょう。
銀杏中毒は正しい知識で予防することができますので、ご家族皆さんで安全に秋の味覚を楽しんでくださいね。
もし不安なことやご心配なことがあれば、いつでも当クリニックにご相談ください。