HPVワクチンで子宮頸がん予防|効果・副反応・接種対象者を医師が解説|小児科・皮膚科|平井みらいこどもクリニック|土曜診療

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HPVワクチンで子宮頸がん予防|効果・副反応・接種対象者を医師が解説

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HPVワクチンで子宮頸がん予防|効果・副反応・接種対象者を医師が解説

この記事では、HPVワクチンについて知っておいてほしい大切な情報をお伝えします。少しでもあなたの疑問や不安が解消され、ご自身やご家族にとって良い選択をするためのお手伝いができれば嬉しいです。

HPVとは?子宮頸がんとの関係

HPV感染の基本とリスク

HPVとは、Human PapillomaVirus(ヒトパピローマウイルス)の略称です。

このHPVは、実は非常にありふれたウイルスで、性交渉の経験がある人なら誰でも生涯に一度は感染する可能性があると言われています。多くの場合、HPVに感染しても自覚症状がないまま経過し、免疫力によって自然に体内から排除されます。

しかし、一部のケースではウイルスが排除されずに持続的に感染し、数年から十数年という長い年月をかけて細胞が異常な形(異形成)に変化し、がんへと進行することがあります。

子宮頸がんの現状

HPVが原因となる病気の中で、女性にとって特に深刻なのが子宮頸がんです。

子宮頸がんは、子宮の入り口部分(子宮頸部)にできるがんで、日本では年間約1万人の女性が新たに診断され、約2,900人もの女性が命を落としています。特に20代から40代の若い世代の女性がかかるがんの中では上位を占めており、30代までにがんの治療のために妊娠できなくなってしまう方も毎年約1,000人にのぼります。

この子宮頸がんの原因のほとんどが、HPVの持続的な感染によるものなのです。

また、HPVは子宮頸がん以外にも、尖圭コンジローマ(性器や肛門の周りにできるイボ)や、その他のがん(中咽頭がん、肛門がん、腟がん、外陰がん、陰茎がんなど)の原因にもなることがわかっています。

HPVワクチンの効果と種類|子宮頸がん予防への期待

HPVワクチンを接種する意味

子宮頸がんやその他のHPV関連疾患を予防するためには、HPVワクチンを接種することで、HPVの感染そのものを予防することが非常に有効です。

ワクチンを接種することで、HPVの特定の型に対する免疫を獲得し、感染を防ぐことができます。

日本で接種可能なHPVワクチンの種類(9価・4価・2価)

現在、日本で接種可能なHPVワクチンには、主に以下の3種類があります。

2価ワクチン(サーバリックス®): 子宮頸がんの原因として特に多いHPV16型と18型の感染を予防します。

4価ワクチン(ガーダシル®): HPV16型、18型に加え、尖圭コンジローマの原因となるHPV6型、11型の感染も予防します。

9価ワクチン(シルガード®9): 上記4つの型に加え、さらに5種類のがん関連HPV型(31型、33型、45型、52型、58型)の感染を予防します。この9価ワクチンは、日本人の子宮頸がんの原因の約81~90%をカバーできるとされており、より高い予防効果が期待されています。

【重要】HPVワクチンの接種対象者・スケジュール・費用

  • 定期接種:
    • 対象:小学校6年生~高校1年生相当の女の子
    • 費用無料(公費助成)
  • 男性の接種: 詳細は次の記事をご参照ください
    • 対象:小学校6年生~高校1年生相当の男の子
    • 費用:無料(現在江戸川区では公費助成があるため無料で受けられます。)

接種は、合計2回か3回(ワクチンの種類や年齢によって異なります)で、通常、初回接種から数か月かけて行われます。性交渉を経験する前の10歳代前半に接種をすることが最も効果的とされているため、定期接種は小学校6年生~高校1年生相当の女子となっています。もちろん性交渉経験後でも、未感染のHPV型に対する予防効果は期待できます。定期接種の年齢には当てはまらない方も、HPVワクチン接種は自費で可能です。17歳から45歳で、HPVワクチンを接種していない方は接種を検討することが勧められています。

男性のHPVワクチン接種の意義や詳細については、次の記事で改めて詳しくお話しする予定ですのでそちらもご覧ください。

HPVワクチンの安全性と副反応について|気になる疑問に答えます

「副反応が心配…」という声もよく聞かれます。HPVワクチン接種後には、以下のような副反応が起こることがあります。

主な副反応: 接種した部位の痛み、腫れ、赤み、かゆみ、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、疲労感など。 これらの多くは一時的なもので、数日以内に自然に治まることがほとんどです。痛みや発熱に対しては、必要に応じて解熱鎮痛剤を使用することもできます。

まれな副反応:ごくまれに、重いアレルギー症状(アナフィラキシー:呼吸困難、じんましんなど)や、神経系の症状(手足の力が入りにくい、しびれなど)が報告されています。

国や専門機関の見解

厚生労働省は、国内外の情報を継続的に評価し、専門家による検討を重ねた結果、「HPVワクチン接種を推奨する」という方針を示しており、その安全性に関する情報も公開しています。現在までに、ワクチン接種後に報告された多様な症状とワクチンとの間に、医学的な因果関係は証明されていません

未来の自分のために、大切な人のために(当院にご相談ください)

HPVワクチンは、あなた自身を、そしてあなたの周りの大切な人を、HPV関連の病気から守るための非常に有効な手段の一つです。特に、子宮頸がんはワクチンで予防できる可能性がある数少ないがんの一つです。当院では、HPVワクチンの接種を行っており、丁寧にご相談に応じます。未来の健康のために、今できることを一緒に考えていきましょう。少しでも疑問や不安があれば、どんなことでも構いませんので是非当院へご相談ください

【参考情報】

より詳しい情報や最新の情報は、以下の厚生労働省のウェブサイトをご確認ください。

厚生労働省:ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~

 

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杉 海秀

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