【医師解説】水痘(水ぼうそう)の基本と、最近増えている「ブレイクスルー水痘」について
- 2026年2月13日
- 感染症のこと
今回は、定期接種化で減少したものの、依然として注意が必要な「水痘(水ぼうそう)」について解説します。特に、最近増えている「ワクチンを打っていてもかかるケース」についても触れますので、ぜひご一読ください。
1. 水痘(水ぼうそう)とは?
水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。非常に感染力が強く、空気感染・飛沫感染・接触感染のいずれの方法でもうつります。
- 🔷潜伏期間: 感染してから症状が出るまで約2週間(10〜21日間)。
- 🔷主な症状: 発熱とともに、全身に強いかゆみを伴う赤い発疹が出ます。発疹は数時間で「水ぶくれ(水疱)」になり、最終的に「かさぶた(痂皮)」に変わります。

2. 【重要】ワクチンを打っていてもかかる?「ブレイクスルー水痘」
現在、水痘ワクチンは2回の定期接種が行われていますが、接種済みでも発症する「ブレイクスルー水痘」が散見されます。
- 🔷特徴: 症状が非常に軽く、発疹の数が少ない(数個〜数十個)。
- 🔷見落としの危険: 典型的な水ぶくれにならないこともあり、「虫刺され」や「湿疹」と勘違いして登園し、周囲に感染を広げてしまうケースがあります。
💡 なぜ今、ワクチンを打ってもかかる子が増えているの?
「2回接種したのになぜ?」と疑問に思うかもしれません。それには現代ならではの3つの理由があります。
「天然の免疫強化」が減ったため
ひと昔前は街中にウイルスがいたため、知らず知らずのうちにウイルスに触れ、免疫が「再教育(ブースター効果)」されていました。今は流行が減ったことでこの機会が失われ、時間の経過とともに免疫が弱まってしまう子がいます。
コロナ禍による「免疫の空白期間」
感染対策が徹底された数年間、水痘ウイルスの循環もストップしていました。その間、免疫をアップデートできなかった子どもたちが、社会活動の再開とともに一斉にウイルスに曝露(ばくろ)している現状があります。
2回目接種の忘れや、年月の経過
1回接種だけでは約20%の子に十分な免疫がつきません。また、2回打っていても10年以上経つと効果が落ちることもあります。
3. 登園・登校の基準
学校保健安全法により、「すべての発疹が、かさぶたになるまで」は出席停止です。 「ブレイクスルー水痘」であっても、ウイルスを排出している期間は登園できません。医師の診断を受け、適切な時期に登園許可をもらいましょう。
4. 自宅でのケアと治療
- 🔷治療: 発症から48時間以内に抗ウイルス薬を服用することで、症状を軽くし、期間を短縮できます。軽症の患者さんでは必ずしも抗ウイルス薬は必要ありません。
- 🔷かゆみ対策: 爪を短く切り、かき壊さないようにしましょう。二次的な細菌感染(とびひなど)を防ぐため、皮膚を清潔に保つことが大切です。
- 🔷お風呂: 高熱がなく、本人が元気であればシャワーで汗を流す程度は問題ありませんが、強くこすらないようにしましょう。
