【男性もHPVワクチン】自分と大切な人を守る!
- 2025年5月27日
- 予防接種
「HPVワクチンって、女の子のためのものでしょ?」
「男性には関係ないんじゃないの?」
もしかしたら、そんな風に思っている方もいらっしゃるかもしれません。でも、実は男性にとってもHPVワクチンは、自分自身と大切なパートナーの健康を守るために、とっても重要な選択肢なんです。
前の記事ではHPVワクチンの基本的なお話(特に女性向け)をしましたが、今回は「男性のHPVワクチン接種」にスポットを当てて、お話ししたいと思います。日本小児科学会も、男性へのHPVワクチン接種を推奨しています。
この記事を読めば、
なぜ男性もHPVワクチンを打つと良いの?
どんな病気を予防できるの?
費用は?いつ、どうやって打つの?(江戸川区などでは無料!)
といった疑問が解消するはずです。ぜひ最後まで読んで、あなたやご家族の健康について考えるきっかけにしてください。
なぜ男性もHPVワクチン?知っておきたい3つの大きな理由
男性がHPVワクチンを接種することには、大きく分けて3つの大切な理由があります。
理由1:あなた自身を「がん」や「つらい性感染症」から守る!
「HPVは女性だけの問題」と思っていませんか?男性もHPVに感染すると、以下のような深刻な病気を引き起こす可能性があります。ワクチンによってこれらの病気にかかるのを予防できるんです。
怖い病気①:中咽頭がん(のどのがん)
最近、世界中で増えている「のどのがん」の一部は、実はHPVが原因なんです。特に「HPV16型」というタイプのウイルスが関係していると言われています。
怖い病気②:肛門がん・陰茎がん
これらのがんも、HPV感染が原因となることがあります。
つらい病気③:尖圭コンジローマ
性器や肛門のまわりにイボができる病気です。良性ですが、見た目の問題や治療の必要性から、心身ともに大きな負担となることがあります。主に「HPV6型」や「11型」が原因です。
【男性は見つけにくい?だから「予防」がもっと大事!】
女性の子宮頸がんには「検診」がありますが、残念ながら男性がかかるこれらのHPV関連の病気には、がんになる前に発見するための有効な定期検診(スクリーニング検査)が確立されていません。だからこそ、ワクチンで感染そのものを「予防」することが、何よりも重要です。
理由2:大切なパートナーをHPV感染から守る!(子宮頸がん予防にも貢献)
あなたがHPVワクチンを接種することは、性的接触を通じて大切なパートナーへHPVをうつしてしまうリスクを減らすことにつながります。
女性の子宮頸がんの主な原因は、高リスク型のHPVの持続的な感染です。あなたがワクチンでHPVの感染を防げば、女性パートナーを子宮頸がんのリスクから守る手助けができるのです。
それだけでなく、パートナーの肛門がんや中咽頭がんなどの予防にもつながる可能性があります。まさに「思いやりのワクチン」です。
理由3:みんなで社会全体のHPVを減らす!(集団免疫への貢献)
たくさんの人がHPVワクチンを接種することで、社会全体でのHPVの流行を抑える「集団免疫」という効果が期待できます。これは、ワクチンを打っていない人も含め、より多くの人がHPV感染から守られることにつながります。みんなで取り組むことで、より大きな安心が生まれます。
【江戸川区の男の子は無料!】男性のHPVワクチン接種について
「でも、ワクチンって高いんじゃないの…?」と心配な方もいるかもしれません。
実は、現在多くの自治体で、男性のHPVワクチン接種に対する公費助成(費用補助)が行われています!
接種できるワクチンは?
現在、男性への接種が主に推奨されているのは、4価HPVワクチン「ガーダシル®」です。このワクチンは、がんの原因となるHPV16型・18型と尖圭コンジローマの原因となるHPV6型・11型の感染を予防します。
誰が対象?(公費助成の場合)
小学校6年生から高校1年生相当の男性が対象となっています。
(具体的には、12歳になる年度の4月1日から16歳になる年度の3月31日までです。)
費用は?
当院のある江戸川区をはじめ、近隣の墨田区、江東区、葛飾区では、対象年齢の男の子はHPVワクチンを無料で接種できます!
これは本当に大きなチャンスです。対象の方はぜひ活用してください。
その他の地域にお住まいの方も、お住まいの自治体のホームページなどで助成制度があるか確認してみることをお勧めします。
接種の進め方(スケジュール・申し込み方法)
HPVワクチンの効果をしっかり得るためには、通常3回の接種が必要です。
接種完了までには約半年かかります。標準的な接種間隔は以下の通りです。(1年以内に3回の接種を終えることが望ましいとされています。)
1回目: 医師と相談して接種日を決めます。
2回目: 1回目の接種から通常2か月後
3回目: 1回目の接種から通常6か月後
申し込み方法(自治体によって異なります)
公費助成で接種を受けるための手続きは、お住まいの自治体によって異なります。
【江戸川区の場合】
電子申請または郵送で、事前に「予診票」の交付申請が必要です。申請してから予診票が届くまで2週間程度かかることがあります。
(重要!)助成を受けるためには、必ずこの予診票を使って予防接種を受ける必要があります。予診票なしで接種した場合、全額自己負担となり、後からの払い戻しはできません。
詳しくは、江戸川区の「【区独自事業】男性HPVワクチン任意予防接種費用助成」のホームページをご確認ください。
【墨田区、江東区、葛飾区など、その他の地域にお住まいの方】
お住まいの自治体のホームページで「男性 HPVワクチン 助成」などのキーワードで検索していただくか、保健所などにお問い合わせください。多くの場合、予診票の事前申請が必要となります。
当院がお手伝いします。お気軽にご相談ください。
当院では、男性のHPVワクチン接種も行っております。江戸川区以外の方も接種可能です。一人ひとりの状況に合わせて丁寧に説明し、疑問や不安にお答えします。
「うちの子は対象年齢?」
「副作用が心配なんだけど…」
「接種スケジュールについて詳しく知りたい」
「とりあえず話だけでも聞いてみたい」
どんなことでも構いません。相談のみでも大歓迎です。
未来のあなたと、あなたの大切な人の健康のために、今できることを一緒に考えていきましょう。まずはお気軽にご連絡ください。
平井みらいこどもクリニック
小児科 杉 海秀