インフルエンザと「異常行動」:なぜ高熱で変な行動をするの?命を守るために知っておきたいこと|小児科・皮膚科|平井みらいこどもクリニック|土曜診療

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インフルエンザと「異常行動」:なぜ高熱で変な行動をするの?命を守るために知っておきたいこと

インフルエンザと「異常行動」:なぜ高熱で変な行動をするの?命を守るために知っておきたいこと|小児科・皮膚科|平井みらいこどもクリニック|土曜診療

インフルエンザと「異常行動」:なぜ高熱で変な行動をするの?命を守るために知っておきたいこと

この冬も、インフルエンザが流行する季節となりました。

今回は、インフルエンザで高熱が出たとき、特にお子さんに起こりやすい「異常行動」の正しい理解と、命を守るための対策について、ご説明します。

🌡️ 熱せん妄・異常行動とは?

インフルエンザで高熱が出たときの異常行動の原因は熱せん妄です。

熱せん妄とは、高熱に伴って一時的に意識が混乱し、幻覚や錯乱、意味不明な言動が現れる状態を指します。「お母さんが誰かわからない」「怖いものが見える」「興奮して暴れる」といった症状が見られ、見守るご家族にとって大変心配になるものです。

発生のメカニズム

この現象は、主にインフルエンザウイルスが引き起こす急激な高熱が原因で、一時的に脳の働きに影響が出ることによって起こります。

  • 🔷起こりやすい時期: 発熱が急激に上昇しているときや、体温が最も高いときに集中して起こります。
  • 🔷経過: ほとんどの場合、発熱が治まるとともに自然に改善し、後遺症を残すことは非常に稀です。

💊 【お薬との関連は?】抗インフルエンザ薬は異常行動の原因ではない!

保護者の皆様から「お薬が原因ではないか?」というご質問をいただくことがありますが、この点について、小児科専門医として明確にお伝えします。

現在の厚生労働省の公式見解および世界中の大規模な疫学調査の結果に基づき、

  1. 異常行動の主な原因は、薬ではなく「インフルエンザウイルスそのもの」による病態です。
  2. 抗インフルエンザ薬を服用したかどうか、また薬の種類に関わらず、インフルエンザに罹患したすべてのお子さんに、異常行動(熱せん妄)が発生する可能性があります。薬を服用しなかった患者さんでも、同様の異常行動の報告が確認されています。

抗インフルエンザ薬は、症状を軽減し、高熱の期間を短くすることで、結果的に体への負担を減らし、お子様の早期回復を促す効果が期待されます。異常行動を避ける目的で服用を控えることは推奨しません。

🚨 最も大切なこと:「命を守るために」事故防止の徹底

異常行動は、インフルエンザウイルスが引き起こす深刻な症状の一つであり、まれに、転落・飛び降りといった痛ましい事故につながる事例が報告されています。

私たちがお伝えしたいのは、「発熱時の安全管理」です。

保護者の皆様へ、命を守るためのお願い

  • 💡絶対に目を離さない: 高熱があるときは、たとえ夜間や睡眠中であっても、お子様を一人にせず、必ずそばについてあげてください。
  • 💡安全な環境作り: 転落の危険がある窓やベランダは確実に施錠し、危険なものが周囲にないか確認してください。可能であれば、1階や、窓に格子がある部屋で寝かせるなどの工夫も有効です。
  • 💡優しく見守る: 症状が出た際は、大声を出さずに静かに見守り、危険のないよう優しくサポートしてください。

🏥 受診の目安:こんな症状には注意

熱せん妄は一時的であることがほとんどですが、まれにインフルエンザ脳症などの重篤な病気が隠れていることがあります。

以下の症状が見られた場合は、迷うことなくすぐに医療機関を受診してください。

  • ・異常行動が数時間以上続く、または治まっても再び症状が出る
  • ・意識が戻らず、呼びかけに反応しない
  • ・強い頭痛や繰り返す嘔吐、けいれんがあるなど。
全てはこどもの笑顔のために。

平井みらいこどもクリニックは、地域のお子様とそのご家族の代弁者となれるよう、今後も精進してまいります。

院長 三井 俊賢
記事監修
院長 三井 俊賢

慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院、慶應義塾一貫校校医、医療法人社団 育心会 理事長

医学博士、日本小児科学会 小児科専門医、日本小児科学会 認定小児科指導医

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