クループ症候群ってなに? 〜犬の遠吠えのような咳に注意!
- 2026年2月24日
- 感染症のこと
今回は、お子さんが夜中に突然、犬の遠吠えのような特徴的な咳や呼吸の苦しさで苦しむ病気、「クループ症候群」について解説します。
1. クループ症候群とは?
クループ症候群は、主にウイルス感染によって、声帯の少し下(喉頭と呼ばれる部分)が炎症を起こして腫れてしまい、空気の通り道が狭くなることで起こる病気です。
- 好発年齢: 生後3ヶ月から3歳くらいまでの乳幼児に最も多く見られます。
- 原因: ほとんどがパラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなどのウイルス感染です。インフルエンザ菌などの細菌が原因となることもありますが、稀です。
2. クループ症候群の3つの特徴的な症状
空気の通り道である喉頭が腫れるために、以下の3つの症状が特徴的に現れます。
特徴的な咳(犬吠様咳嗽)
「ケンケン」、「オウオウ」と表現される、犬の遠吠えやオットセイの鳴き声に似た響く咳です。
声がれ(嗄声)
声帯付近の炎症のため、声がかすれたり、低くしわがれた声になります。
吸気性喘鳴(きゅうきせいぜんめい)
狭くなった喉頭を空気が通る際に、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音がします。特に息を吸う時(吸気時)に目立ちます。

この病気の怖いところは、夜間に急に症状が悪化しやすいことです。夜、寝付いた後に急な咳と呼吸の苦しさで目覚め、ご家族が慌てて受診されるケースが多いです。
3. 家庭での対処法と受診の目安
症状の程度は様々ですが、喉の腫れがひどくなると呼吸困難に繋がり、命に関わることもあるため注意が必要です。
| 症状の程度 | 状態と家庭での対処法 | 受診の目安 |
| 軽度 | 特徴的な咳や声がれはあるが、呼吸は比較的楽そう。機嫌も比較的良い。 | 翌日、またはかかりつけの診療時間内に受診しましょう。 |
| 中等度 | 咳や声がれがひどく、息を吸う時に「ヒューヒュー」と聞こえる。機嫌が悪い。 | 診療時間内であればかかりつけ医を受診しましょう。診療時間外であれば救急外来を受診しましょう。 |
| 重度 | 呼吸が明らかに苦しそうで、肩で息をしている。唇や顔色が悪い(チアノーゼ)。ぐったりしている。 | ためらわず救急車を呼びましょう、またはすぐに救急外来を受診してください。 |
家庭でのポイント
- 🔴湿度を保つ: 湿った空気は喉の刺激を和らげます。加湿器を使用したり、お風呂場の蒸気を吸わせることも一時的に有効な場合があります。
- 🔴水分補給: 脱水を防ぐため、少しずつで良いのでこまめに水分を与えましょう。
- 🔴安静: 興奮したり泣いたりすると、さらに呼吸が苦しくなるため、落ち着かせて安静にさせることが大切です。
4. クリニックでの対応
クループ症候群の治療では、狭くなった喉の通り道を広げ、炎症を抑えることが重要です。
治療
- アドレナリン吸入: 喉頭の粘膜の血管を収縮させ、腫れを急速に抑える効果があります。
- 内服(ステロイド):炎症を抑えるために、内服薬のステロイドを使用します。
重症例への対応(連携体制)
重症度が高いと判断された場合、入院治療が可能な高次医療機関(総合病院など)へ迅速にご紹介します。
